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バイエルンとバルセロナへの対策

 バルセロナとバイエルンのボールの循環、ゴール前での崩しのバリエーションについての比較について書こうと思ったがまだ情報量が少ないということでやめた。

 この両チームはいわゆるバルセロナサッカーをしている。バルセロナのサッカーではなく、バルセロナサッカー。バルセロナサッカーの特徴は狭いスペースを狭いと認識せずに、利用可能とチーム全体で判断することである。

 なので、さらに、狭いスペースを作って守らなければいけない。

 ボルシア・メンヘングラッドバッハは4-4-2のゾーン・プレッシングで対抗した。4-4-2で守るときは3ラインのそれぞれの距離感を超コンパクトに保つ必要が有る。結果として、ラームをフリーにする場面が多かったり、バイエルンの長いサイドチェンジによって、4-4-2のゾーン・ディフェンスの泣き所を利用されてあっさりと終了した。

 4-4-2でバルセロナサッカーに対抗する場合はドルトムント方式が適している。選手間の距離を狭くすることによって、スペースをさらに狭くすることでなく、高い位置から相手を追いかけ回すことによって、相手から時間を奪う。つまり、スペースを狭くするのではなく、時間を相手から奪うことによって、バルセロナサッカーを機能不全に追い込む形である。

 選手の距離感によって、狭いスペースを創りだしてバルセロナサッカーに対抗できますか?と言われればできる。リーガエスパニューラでは3センターがバルセロナサッカーへの対策として定石になりつつある。平たく言えば、人海戦術である。前線の枚数が減ることで、DFラインにボールを持たせる展開になるが、中盤のスペースはかなり狭くなるので、だれでも利用可能なリーズナブルな定石と言えるだろう。注意点はメッシが下りてきた時である。そのときのマークの分担をしくじらないこと。

 さらにハインケスとシメオネの必殺4-6-0という技もある。前線の選手が相手のアンカー、ブスケツやラームよりも自陣よりに位置することによって、スペースを超狭くする技である。この芸当はカウンターをどのように設計するかさえ現実的にできれば、超固い守備となる。

 バルセロナ化したバイエルンに対して、ハインケスの手法でそのバルセロナ化を食い止めるチームが現れるかどうかは非常に興味深いのだけど、欧州を眺めると、シメオネさんくらいしかそういう選手はいないというお話でした。
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インテグラルトレーニングについてのまとめ

 みなさんこんにちは。ぼくは少し風邪気味です。さて、今日は指導者講習会を頻繁に行っているミゲル・ロドリゴが提唱するインテグラルトレーニングについて考えていきます。インテグラルトレーニングとはフットサルのトレーニングメニューの考え方ですが、サッカーにも応用が可能です。というか、サッカー界でも自然に行われていると思います。なので、フットサルかよ!そんなのかんけーねーと言わずに、覗いてみてください。

 ■サッカーのトレーニングの考え方の分類

 アジア圏内でよく行われているのがドリルトレーニングと呼ばれているトレーニング種類になります。なお、筆者調べによると、南米でもこの傾向が強いです。具体的に言うと、対面パスのような判断のない練習になります。プレーごとに判断することなく、淡々と同じプレーを反復していくことが特徴です。ミゲル・ロドリゴ曰く、首から下を鍛えているだけで、首から上はまるで鍛えていない練習だ!とのことです。

 次に林さんと村松さんが登場し、日本にグローバルトレーニングという考えが伝達されます。オランダ、バルセロナの教科書を日本語訳したのが彼らの偉大なる功績です。ドリルトレーニングとの違いは、相手がいるかいないか。プレーに判断する要素があるかどうか。フィジカル、技術、戦術の要素が含まれているかどうかになります。

 サッカーはサッカーをすることで上手くなる理論からすると、すべての練習にゴール、スペース、相手、味方をつけるべきだ、という考えもこのころから普及されました。なお、いわゆる走り込みもサッカーの要素から考えると関係あるまい!ということで、ボールを使ってフィジカルを鍛えようという概念も同時に伝わってきています。ただし、サッカーのピリオダイゼーションと戦術的ピリオダイゼーションの違いが自分にはまだわからないので、それについてはそっとしておきます。

 グローバルトレーニングの具体例はポゼッションゲーム、鳥かごです。また、一方方向への攻撃もそれにあたります。一方方向への攻撃??なんてことはないです。3対2のゴールキーパー有りの練習は、はるか昔から行われている気がします。ただし、守備はボールを奪ったらどうするんだ?というところまでつきつめていたか!?まで考えると、ぐぬぬな気分になるんですけどね。平たく言うと、認知、判断、実行という頭も使わなければならない練習であり、ドリルトレーニングとは違い、味方&相手といった不確実性な要因が存在するってことですね。

 ただし、グローバルトレーニングにも弱点はあった。例えば、ポゼッションゲーム。攻める方向を決めど、サッカーの選択肢であるトラップ、キープ、パス、ドリブルはできる。でも、シュートはできない。いや、シュートもパスなんですと屁理屈をいったところで、GKとの駆け引きがまるでない。一方方向への攻撃にはシュートが有る。でも、攻守の切り替えがない。守備者がボールを奪ったら奪い返す約束事を決めればいい?でも、守備者が目指すべきゴールがないじゃん。ただし、必ずしもすべてのプレーの選択肢があればいいってわけでもないんですけどね。

 というわけで、グローバルトレーニングをさらに試合に近づけたのがインテグラルトレーニングとなります。小難しく言うと、認知、注意力、集中、感情も刺激する練習です。基本的には、メンタル、戦術、技術の向上を目的とするものなのですが、試合に近い形式なので、戦術的要素が特に強く、試合と同じように感情のコントロールも必要になってきます。

 具体例をいうと、4対4のフットサルコートでの試合。GKはなし。これも立派なインテグラルトレーニングとなります。テーマはシュートコースを見つける、見逃さない。GKがいないので、当たり前の話ですが。逆に言えば、GKがいないので、シュートコースをガンガン消しまくるをテーマにすることもできます。別に難しい話ではないんですよね。

 ■インテグラルトレーニングの作り方

 最初に、前中後の考え方が大切になります。例えば、フィニッシュをテーマに練習するとします。其の場合は、フィニッシュを中に設定します。前と後はフィニッシュの前後の局面について設定します。サッカーで言えば、バイタルエリアでフリーでボールを受けたを前、フィニッシュの局面を中、相手のカウンターを後とします。それでトレーニングを繰り返していきます。このように設定することで、一連の流れをもってトレーニングすることができます。日本だと、中に値する練習ばかりを繰り返す傾向がありますよね、多分。

 他には一連をぶったぎって1つの現象が頻繁に起こるようにするトレーニング方法もあります。1つの現象とは3つ有りましてボールを保持する⇔奪い返す。シュートを打つ⇔打たせない、前進する⇔前進させない。ミゲルの講習会ではシュートを打つ⇔打たせないで行いました。またフィニッシュかということで、適当に書いているのがバレてしまいます。講習会でやったメニューを書いておきますので、勘弁して下さい。

 シュートピラミッド。ハーフコートくらいでGKあり。2チームの対抗戦。最初に1対0→1対1→2対1→2対2→→4対4まで増えていくメニューです。シュートが入るか、外れたら順番待ちの選手にすぐにボールを供給します。順番を待っている選手はコーナー付近にポジショニングしているので、シュートまで簡単にいけます。

 フェイク有りの連続したシュート。ハーフコートくらいでGKあり。グリッドの四隅にパサーを配置。ハーフコート内は一対一。攻守を決める。パサーからのボールを受けてダイレクトでシュート。ゴールを決めた場合は、また攻撃を行う。守備者は終了し、攻撃側にパスをした選手が守備を行う。なお、シュートを外した、または止められた場合は守備者が攻撃になり、パスを出した選手は守備に回る。

 そして、それらをテーマにゲームを行います。間違ってもゲームは好きにやってもいいよという形ではしません。

 なので、色々なルールを付け加えるのがインテグラルトレーニングの特徴と言えます。ルールをつけることで、テーマや引き起こしたい現象を再現させるのですね。なお、日本でこれをやり過ぎると、サッカーから離れてしまっているよね、リアルじゃない!と指摘されるので、おすすめしません。

 例えば、8対8のフルコートゲーム。

 制限:ボールを奪ったら必ずGKまでボールを戻してから相手の陣地に侵入可能。なお、ボールを前進させているときに相手がボールに触ったらまたゴールキーパーにボールを戻さなければいけない。

 この制限でフォーカスする現象。GKからのビルドアップ、前進。または、前進を阻むプレッシング。

 一連をぶった切る練習だと、例えば、3対3のフットサルフルコートゲーム

 制限:ボールを奪ったら、相手の陣地まで侵入する。侵入できたら、どちらのゴールに攻めても良い。相手にボールを奪われたらやりなおし。もちろん、相手もセンターラインを超えないと、フィニッシュまで行けない。

 この制限でフォーカスする現象。前進と前進させない。

 他にもインセンティブをつけるやり方もあります。全員がボールを触ったらゴールが2倍とか、最後のシュートはダイレクトのみとか。

 みたいな感じです。うちでよくやるのはGKへのバックパスなしという制限でやることが有ります。CBが深さを取りましょう作戦です。

 今回はこんなところで失礼します。なお、参考文献はミゲル・ロドリゴの講習会全般&スペイン帰りのフットサル指導者に教わりました。文献ちゃうやんという話ですが、参考までに。

 なお、お勉強中なので、それはちゃうで!!というのがありましたらコメントください。

 よろしくお願いいたします。

5-3-2と6-3-1の考え方とミランの前線の問題点について

 さて、今日はミラン対エラス・ヴェローナ、ミラン対ウディネーゼの試合をまとめて更新するの巻。ちなみに、エラス・ヴェローナは6-3-1、ウディネーゼは5-3-2でミランの攻撃に対抗していた。セリエAの独自進化がよくわかる。4バックの相手と戦える日はいつなのだろうか。そして、いつのまにかセードルフ監督が就任。このブログでも書いていた4-2-3-1にシステムを変更していた。どうやら筆者とセードルフは気があうかもしれない。

最初にエラス・ヴェローナの考え方から見ていく。

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 ミランが4-2-3-1に変更しようが中央攻撃がメインになるはず!という予測によって、まさかの6バックでミランの攻撃に対抗した。ミランは本田圭佑、モントリーボを中心に中盤で時間を作りながらエリア内にボールを入れることに成功したが、ゴールにはならず。それでも、決してネガティブな内容ではなかった。また、ロビーニョとカカが中央に侵入していくことで、バロテッリが相手のDFラインから自由になることが最初から可能となっていた。よって、左サイドからのカットインからのバロテッリミドルという形が何度か見られた。

 次にウディネーゼの考え方から見ていく。

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 前線の枚数が多いので、カウンターを食らう回数がエラス・ヴェローナ戦に比べると、格段に増えた。むろん、本田とバロテッリの不在がビルドアップ、ポゼッションの安定感のなさに拍車をかけたことは言うまでもない。また、まgったく帰陣しない前線のカルテットコンビに何度も驚かされた。さすがに4-2で守るのはちょっと厳しいメンバーである。レアル・マドリーくらい個で守れる選手がいてもきっついのにね。

 今度は3バックの考え方から見ていく。その前に、最近はバルセロナ、もしくはアーセナル時代のセスクファブレガスのプレーから広まった概念から見ていく。なお、スペイン語ではエントリャネナスという。日本語ではギャップで受けるとか相手の隙間で受けるとか、バイタルエリアでボールを受けるとかそんな意味のプレーである。

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 スペースの圧縮がめんどくさいと考えたのか、どうなのかはわからない。いちいちゾーンでマークを受け渡すというのもミスが起こる機会を相手に増やさせているというのも頷ける指摘である。なので、めんどくさいからウディネーゼのようにどこまでもついていっちゃえある程度は!という3バックの対応が出てきている。セリエAでは、隙間でボールを受ける?なにそれ?が3バックによって引き起こされつつ有る。

 最後にミランの攻撃の問題点を見ていこう。

 ミランの攻撃はほとんどが中央に突撃&ワンツーであった。むろん、クロスとかもあるんだけど、基本は狭いエリアにパスアンドゴーで突っ込んでいく。実はこの形はバルセロナの得意技である。また、ボールの引き出し方も相手のゾーンの隙間でボールを受けるようなポジショニングが目立つ。なので、マンマーク的に対応されると。フィジカルごり押しな雰囲気が漂ってくる。そういえば、コパ・イタリアで結果を出した相手は4-4-2のゾーン・ディフェンスであった。

 ここでビエルサ御大を思い出してみよう。ビエルサのサッカーはとにかく相手の裏に飛び出して、相手のCBのポジショニングを強引に動かして、発生したスペースを攻略するものであった。むろん、バルセロナもこのような動きはしている。しかし、ミランの面々では相手の裏に飛び出すことで、スペースを作りますという選手が皆無である。バロテッリが単純な裏抜けをしているくらいで、そもそもそういう動きを得意としている選手ではない。なので、既存の選手でやるしかないので、相手の隙間でボールを受けるのではなく、そのまま相手の裏に飛び出しまくる選手に変貌してもらわないといけない。ここで思い出せるのはあふれかえるBTBの選手である。ボックストゥボックス。でも、どこで起用して、どのように飛び出させるかを整理しないと、大変になりそうな今後のミランであった。

 

ボローニャから学ぶ5-3-2の守備方法について ~ナポリ対ボローニャ~

 さて、今回はボローニャの運用する5-3-2の守備について見ていく。なお、本田圭佑がミランに移籍したことでにわかに注目を集めているセリエAでは、3バックが異様に流行っている。なので、どのチームの守備がどのような仕組みで機能しているかを考えてみるのコーナー。ただし3バック同士の対決だと、また色々と異なってくるので、4-4-2を愚直に行うラファエル・ベニテスは素敵だ。

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 なので、序盤のナポリは右サイドのマッジョが頻繁にボールに絡んで試合を進めてきた。マッジョがボールを持ったときにボローニャの対応は以下の様なものであった。

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 泣き所の移動である。ボローニャの考えを整理すると、スライドして発生した黒い四角のスペースにボールを運ばせたくない。もしも、ボールを運ばせてしまったとしても、こちらのスライドが間に合えばOK。相手がボランチ経由でボールを運んだ場合はスライドが間に合わないので、ボランチ経由でボールを運ばせないために、自分たちのFWをボランチに当てる。その代わりに、相手のDFラインへのパスコースをあける。なので、相手の攻撃はDFラインを経由してボールを循環させる。この場合は3枚のスライドでも間に合うという理屈になる。なお、泣き所のスペースを埋める方法としてはDFラインから前へのスライド、FWからの後方へのスライドでも対応は可能である。

 この守備でナポリの攻撃を機能不全に追い込むことに成功する。それでもマッジョがフリーでボールを持つ状況を何とか作れるナポリだったが、マッジョのプレーによって、次の選手が時間とスペースを得ることができなかった。その大きな理由はマッジョを捨ててでも、ナポリの前線の選手をマンマーク的に潰す5バックが機能していたからである。人海戦術で相手のフリーランニングにも余裕を持って対応できるボローニャの守備の前に、ナポリは苦しむことになった。

 ちなみに、高い位置からプレッシングを掛ける場合は最初の図の形に戻る。2トップが相手のCBに突撃し、サイドには中盤の選手が飛び出してマンマーク的に潰しにかかる。マインツの得意技であるが、岡崎以降は観ていないので、最近がどうなのかはわからない。

 なお、このまま黙ってやられるほど、スペイン人は甘くないよというわけで、ベニテスの修正もついでに見ていく。

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 スペインっぽいのがフリーな場所にいい選手を置く采配。最後の相手の泣き所にというのはそこまで見られなかった。ハムシクが幅広く動いてシンプルにボールを離したことで、狭いエリアから広いエリアにボールを供給し、ボローニャの守備の狙い所をぼやかしたのも大きかった。また、ひたすらにサイドチェンジを繰り返していたのも大きかった。

 マッジョが浮かされるのはEUROでも観た記憶があるので、頑張れマッジョ。なお、試合は2-2の引き分けで終わった。今後のボローニャはビアンキ、ディアマンティの前線コンビに守備が安定すれば、降格圏内から脱出できるかもしれない。

本田圭佑とバロテッリとカカ、ときどきロビーニョ。そして田中達也とワシントン。

 さて、コパ・イタリアでミランに移籍してからの初ゴールを決めた本田圭佑。この試合はトップ下のポジションでスタメンであった。なお、ロビーニョが周りをうろちょろしていたので、クリスマスツリーなのか単独のトップ下なのかを断定することは非常に困難である。筆者の見立てだと、クリスマスツリー。4-3-1-2ではなく、4-3-2-1。何が違うねん!ただの数字遊びやないか!!となりそうだが、FWとトップ下の役割は当然異なってくるので、実に大きな違いがある。

 最初に田中達也とワシントンとの思い出を語ることにしよう。当時の筆者は、フィジカルの強い人が相手のCBとフィジカル勝負をする。フィジカルの弱い人は相手のいないところでボールを受けて勝負をするもんだと決めつけていた。例えば、背の高い選手はヘディングが強くて、背の低い選手はヘディングが弱いというそれである。

 浦和の試合を眺めていると、その見立てがどうにも怪しい。ワシントンと田中達也。相手のCBを背負いそうなのは、フィジカルに優れたワシントンである。しかし、何度眺めても田中達也が懸命に体をはっていた。このように、往々にして見た目というのはプレースタイルとは何の関係もないことが起こる。なお、この先入観にまみれた見立てによって、多くの長身選手が誤解されている現象は現在でも続いている。なぜ、ポストマンとして育成されなかったのかは謎であるが。

 なお、スタジアムで観る田中達也は常に相手のDFラインの裏を執拗に狙い続ける選手であった。新潟に移籍してからどのように変化したかは観ていないので、わからない。ただ、ドリブラーという先入観はあっさりと崩れ去り、フィリポ・インザーギみたいな選手だなと感想を持ったことを強く記憶している。よって、田中達也全ゴール集があれば、意外に少ないタッチ数でゴールを決めまくっているのではないかと予想している。

 さて、話をミランに戻そう。怪我人はスルーするとして、ミランの前線に起用される可能性のある選手は、バロテッリ、カカ、ロビーニョ、本田圭佑、パッツィーニとなる。エル・シャーラウィは怪我。ニアングは残念ながらわからない。では、それぞれの選手の特徴について見ていこう。

 最初にロビーニョである。左サイドを主戦場としていたのはレアル・マドリー時代である。最近のミランの試合を観ていると、相手のDFとMFの間に位置していることが多い。もちろん、左サイドに流れることもあるが、基本的に相手のDFとMFの間のスペースにポジショニングしている。相手のDFラインから離れてプレーすることが多い。

 次にカカである。カカも左サイドからのプレーを得意としている。しかし、DFとMFの間でのプレーを得意としている。ロビーニョと同じように、相手のDFラインから離れてプレーすることが多い。この両者のプレーエリアは似通っているが、プレーの選択、個性に違いはあるので、試合に起こる現象は当たり前のように異なる。

 そして、我らが本田圭佑である。相手のDFラインとバトルできることは南アフリカで証明している。だが、あまりそのようなプレーを好んでいない。基本的に中央に鎮座し、縦に幅広く動くプレーを得意としている。サイドに関しても、左に行ったり、右に行ったり。なので、色々な役割を期待できそうである。なお、最近の日本代表ではCFを追い越す動きもしている。

 問題児のバロテッリである。問題児と表現すると、バロテッリに怒られるようである。フィジカルと技術に秀でた恐ろしい選手である。万能型と言ってもいいかもしれないが、嫌いな仕事をとことん嫌がるきらいがある。特に相手のCBとのバトルはあまり好きではないようである。なので、ワントップで使うと妙におとなしい。そして、CBとバトルしてくれる相棒が出てくると、急に目立ち始める。つまり、DFラインから解き放ったほうが持ち味を発揮できる選手である。

 最後にパッツィーニである。ペナルティエリア内での仕事を得意としている。なので、相手のDFラインに位置することを厭わない。というか離れてプレーしたら、ゴールから遠ざかってしまうので、得意な仕事の機会が減ってしまう。ちなみに、同じような仕事をしてくれそうなマトリさんはフィオレンティーナに移籍してしまっている。

メンバーを眺めてみると、相手のDFラインとのバトルをいとわないのは、パッツィーニしかいない。この時点でワントップ、ツートップのファースト・チョイスはパッツィーニになるのだが、ファースト・チョイスはどうみてもバロテッリになっている。ツートップをカカとバロテッリにするのもありだが、その場合は、ゴール前に入っていける選手が必要になる。トップ下にボアテングがいればと思うのは致し方ないところである。

 だったら、SHの選手が行えば良いとなるが、ミランは4-3-3縛りが有るようで、攻撃に横幅はSBが担っている。さすがに、攻撃の横幅隊のSBがゴール前まで飛び出してくることを日常とするのは無理がある。それならば、飛び出しまくってくるCHの選手たちに任せてみればとなるが、そのためには中央のスペースをあける必要が有る。しかし、中央のエリアを好む選手が多いので、それはなかなか厳しい現実となる。

 というわけで、めんどくさい現状のミランである。今の選手の動かし方ではにっちもさっちもいかないし、相手の隙間で活動することを得意とする選手がわんさかいる。整理案としては、そのような特徴をもった選手を4-2-3-1の3の部分に大量動員する方法がある。その辺りはセードルフさんの腕の見せどころだろう。

 なお、本田はロビーニョ、カカとのポジション争いになる。ロビーニョとカカは味方の中盤のスライドの穴埋め守備をまるで行わないので、手っ取り早いのは守備で差を見せつけることである。また、日本代表でも見せているように、CFを追い越す動きを見せることができれば、他の選手との違いを攻撃面でも見せつけることができるだろう。レアル・マドリーの10番を本気で狙っているなら、元レアル・マドリーコンビとのポジション争いは望むところかもしれない。

ゼロトップ採用の利点と、ゼロトップへの対策

 今季のセリエAは、またしてもユベントスの独走に入っている。しかし、前半戦の主役はスタートダッシュに成功したローマ出会った。主力の離脱もあったが、ルディ・ガルシアに率いられたローマは来季のCLの出場権を最低限の目標、そしてスクデットもまだ諦めてはいないだろう。ちなみに、セリエAのCLの出場権は3チームである。ユベントスは確定として、残りの2枠は熾烈な争い。なお、本田が移籍してきたミランはコパ・イタリアを制することで、ELの出場権を確保するのが現実な所といえるだろう。

 懐かしのトッティのゼロトップをローマは採用している。なお、昨年で日本を騒がせたU17の日本代表もゼロトップを採用していた。なお、バルセロナも相も変わらずにゼロトップである。ジエゴ・コスタの加入が決まったスペイン代表がゼロトップを継続するのかどうかは非常に興味深い。というわけで、最初にゼロトップについて、ちょっと思い出してみよう。みんなだいすきなシステム噛み合わせ論が出発点となる。

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 わかりやすくするために、4-3-3対決となっている。システム噛み合わせ論をこのシステム同士の戦いに適応してみよう。

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 白円で囲まれた部分は数的同数である。黒円で囲まれた部分は数的不均衡である。よって、試合の中でこの数的不均衡を解決するために、ポジショニングを動かすという作業が行われる。数的不均衡のまま試合が動いていく場所は、CBとCFの関係くらいだろう。なお、ボールを保持していないときは4-4-2に変化して、相手のCBと数的同数を作る意志を見せるチームが増えてきている。それだけ相手に数的不均衡の中で、ボールを保持させたくないという流れができているといえるだろう。大切なことは、最初のシステムにとらわれすぎてはいけないという話しである。

 では、ゼロトップに話を戻してみよう。

ゼロトップ1myboard

 さんざん語り尽くされた感があるが、久々に思い出してみよう。ゼロトップの最大の狙いはCBの基準点をなくすことにある。基準点とは、守備者からみる守るべき対象といえばよいだろうか。CBの守備の基準点が喪失すると同時に、中盤のエリアの選手の守備の基準点は狂い始める。明らかに数的不均衡になっているからだ。CBが持ち場を離れてゼロトップについていけば、CBのカバーリング問題が生じてくる。つまり、両SBが中央に絞らなければならないので、サイドが空く。なので、安易に中盤についていくわけにはいかないというハメ殺しである。

 CFがいなくなることで、縦幅、奥行き、攻撃の深さの創出が問題になってくる。この問題を解決するは主にWGの仕事になる。WGの選手がサイドから中央に飛び出していくことで、相手のDFラインを牽制することができる。U17では、相手のSBの裏から中央に飛び出していく場面を何度も再現していた。バルセロナの場合はWGが中央に飛び出すというよりは、中央に移動してCFを惹きつけることで、ゼロトップの選手をさらに自由にしたり、さらにSBをWGの役割を行わせることで、このような状況を解決していた。

 では、次に対策のお話である。

 最初に今節でローマにフルボッコにされたガスペリーニの対策を見ていく。なお、ガスペリーニさんは3バックの使い手なので、3バック縛りでの対策と考えられるが、ポピュラーなやり方だったので、ご紹介。

 3バックmyboard

 もともとはデポルティーボ・ラ・コルーニャで開発された守備方法である。当時はセスクを筆頭に相手のDFとMFの間のスペースを使うのが流行っていた。そういった選手を潰すために、CBをマンマーク気味に対応させたいんだけど、DFラインに穴が開いてしまう。だったら、枚数を増やしてしまえ!という作戦である。なお隙間でボールを受けるっておいしいのばりに3バックマンマーク形式で相手を潰しまくっていたのは昨年だと記憶している。なお、U17対策としても見られた考えである。つまり、マンマーク気味にすることで、数的不均衡を解決しましょうという概念である。

 最後にシメオネさんの対策を見てみよう。

 シメオネmyboard

 スペース管理によるゼロトップ対策だが、シメオネの場合は極端にFWを下げるので、マンマーク的にも数的不均衡がついでに解決されている。なお、ポゼッション側のCBがフリーなので、この位置から試合を作りたいのが理想である。しかし、相手が狭いスペースでしっかり守っているので、サイドチェンジを繰り返しながら前進を繰り返していくとうのが攻略の王道になりそうである。ただし、ゼロトップは中央の数的優位からというのが利点なので、サイドチェンジを繰り返して前進というスタイルを再現性をもって行うには適したシステムといえるかどうかは微妙である。

 なお、クロップだったら、そもそも相手にボールを持たせなければいいじゃんという概念で動く。ローマ対ジェノアのローマの考え方も同じであった。ガスペリーニのジェノアはシステムによって相手の守備の基準点をずらして攻撃を構築していくスタイルを得意としているのだけど、ローマはマンマーク気味に相手の3バックにプレッシングをかけていった。こうなれば、落ち着くボールも落ち着かない。なので、ガスペリーニは4バックに変化させるまさかのミシャ式で自陣でのボールを安定して保持することを選択するが、其の代わりにシステムに寄るずれが消えるわけで攻撃が機能しなくなり、よりフルボッコにされる運命となった。

 なお、ローマは高いボールポゼッション&ジェルビーニョのカウンターと攻撃の手札のバランスが良い。また、何気に選手層も素晴らしいので、CLの出場権は固そうである。ということで、長友と本田のどちらか、または両方が来季のCLに出られわないわけで、どのような結末になるかは非常に興味深いです。

 

アトレチコ・マドリー対バルセロナ ~シメオネの4-4-2~

 2強ならぬ2超が近年のリーガ・エスパニョーラを牽引してきた。言うまでもなく、その2超は、バルセロナとレアル・マドリーである。盛者必衰の理をあらわすとはよく言ったもので、永遠につづくと思われた2チームの支配体制はようやく終わりを迎えようとしている。この状況に楔を打ち込んだのはアトレチコ・マドリー。インテルと同じく、ネタクラブとして扱われる歴史を持っているが、シメオネ隊長が監督に就任してから、チームスタイルがガラリと変化した。今や、ネタクラブとしての雰囲気はまるで残っていない。

 現時点でのリーグ戦の順位を見ると、首位がバルセロナ。続いてアトレチコ・マドリー。ただし、両チームの勝ち点は同じである。そして、レアル・マドリーと続いている。そんな両チームのぶつかり合いの一方で、日本では高校サッカーの準決勝、決勝で盛り上がっていた。なお、この最後の文に他意はない。お前ら、高校選手権なんていう競技レベルの低いサッカー観ていないで、世界に目を向けろや!なんて意味はまじでない。

 アトレチコ・マドリーのスタメンは、クワトロ、ミランダ、ゴティン、フェリペルイス、ファンフラン、ガビ、ティアゴ、アルダ、コケ、ジエゴ・コスタ、ビジャ。累積の出場停止からファンフランが戻ってきた。特筆すべきはガビとティアゴ。もともとはボールを保持しているときに自分の長所を発揮する選手であった。其の面影はいまでもバッチリなのだが、チームが機能すれば、守備はどうにかなるのよという好例である。

 バルセロナのスタメンは、バルデス、ピケ、マスチェラーノ、ダニエウ・アウベス、ジョルディ・アルバ、ブスケツ、シャビ、イニエスタ、セスク、アレクシス・サンチェス、ペドロ。怪我明けのメッシはベンチスタート。ネイマールも同じくベンチスタートだが、其の理由は不明。タタ×ローテーションのためかもしれないと、無責任に予想しておく。

 なお、フォロワーさん情報によると、ネイマールは胃腸炎だったようで、病み上がりだった。よって、コンディションに問題のないペドロとアレクシス・サンチェスが起用されたとのこと。

 ■FWの位置をどこに設定するかというお話

 ボールを持っていないときに、アトレチコ・マドリーは4-4-2でポジショニングを設定する。相手の守備を攻略するときに、バルセロナは相手のFWとMFの間のスペースを支配することを最初に目指す。支配するという言葉を噛み砕いてみると、この位置でボールをオープンな状態で何度も保持できる、またはそのプレーを再現性をもって行える、そして相手からボールを奪われるリスクがかなり少ない、というのが支配するとする。

 よって、アトレチコ・マドリーはこのFWとMFの間のスペースをどのように守るかが注目される。シメオネの答えは、ビジャとジエゴ・コスタの位置をブスケツよりも自陣よりに設定することで、このスペースを埋める選択をした。前線に2枚の選手を配置する場合、ブスケツにマンツーマン、CB付近にもう一人を配置するのが定石になっているが、その部分のプレッシングを捨てることで、4-4-2の4-2の間のスペースを消すシメオネ采配であった。なお、この守り方は4-4-2-0と表記されることがある。僕しかしないけど。また、ベガルタ仙台も同じような方法を取ることが有る。

 ここまで深いポジショニングを設定した場合、相手のゴールまでの距離が遠くなってしまう。つまり、どのように相手のゴールに迫っていくかというアイディアがなければ、守備のことだけを考えた設定になってしまい、それでは勝てる試合も勝てない。というわけで、次にアトレチコ・マドリーの攻撃方法について見ていく。

 アトレチコ・マドリーの守備の考え方はバルセロナから効率よくボールを奪えてカウンターに繋げられる現象は少ないとしている。大切なのは、効率よく、という部分である。なので、アトレチコ・マドリーは最初からバルセロナからボールを奪ってすぐに攻撃を仕掛けるようなプレーイメージを持っていなかった。なので、前線にカウンター隊を置いていない。それよりも、前述のように守備隊に入ってもらうことで、バルセロナの攻撃精度を徹底的に通すことに心血を注いでいた。

 では、どうやって攻撃を仕掛けたのか。流れの中からボールを奪えた時は、単騎特攻がメインである。アルダ、ジエゴ・コスタと半端無いタレントたちが気合で仕掛ける。この可能性の少なそうな攻撃がなかなか機能するからこのコンビの凄まじさは異常。なお、単騎特攻が不可能な場合は地道にボールを繋いでサイドから仕掛けていく。しかし、無理をして逆カウンターをくらってはきっついので、GKまで戻してからのバックパスが目立った。

 本番はここからである。精度を落とされたバルセロナの攻撃の終着点は、クルトワ付近で危なげなく終わるか、アトレチコ・マドリーのアウトオブボールで終わった。マイボールにしたアトレチコ・マドリーに対して、バルセロナはオレたちのボールを返せ!作戦がデフォルトなので、アトレチコ・マドリーは徹底的にジョルディ・アルバにロングボールを浴びせる。特にクワトロが蹴っ飛ばす形が多く、GKまでボールを下げることで、バルセロナの選手間の距離を離すことで、セカンドボール争いを優位に進めた。

 このトランジッション対決がアトレチコ・マドリーの狙いであった。バルセロナの深い陣地でのスローイン、ゴールキックなどのたびに全体のラインを押し上げて、前プレを発動させる。バルセロナのビルドアップを奪い取りからのショートカウンター作戦によって、前述の引きこもった状態からどのように得点を奪うのか問題への解答を示した。むろん、バルセロナがこのプレッシングを外すことによって、広大なスペースを手に入れることもあったが、リスクを考えると悪くない現象がピッチに起こっていた。

 簡単にまとめると、アトレチコ・マドリーはバルセロナがボールを保持しているときは、ブスケツよりも自陣に近い位置にFWを配置した4-4-2でバルセロナの攻撃に対抗。ボールを奪ったら、短期特攻か、ショートパスを繋ぐか、ロングボールでボールを運ぶ。バルセロナボールになったとしても、アウトオブボールのときには全体のラインを押し上げて前プレを行うことで、ショートカウンターを狙う。この場面ではSBも積極的に攻撃参加していく。

 そんな守備に対して、バルセロナ。ゼロトップの中央における数的優位も、ビジャとジエゴ・コスタが中央の守備に参加しているので、サイドから攻撃を仕掛けるしかない状況。セスクがサイドに流れた時は可能性を感じたが、アトレチコ・マドリーのサイドへのスライドもスムーズに行われたので、効果的な攻撃はできなかった。なお、ガビとティアゴは目の前のスペースをFWコンビがケアしてくれるので、サイドのヘルプに行きやすかったと思われる。

 こうなるとカウンターか個人技でどうにかしたいので、後半からメッシとネイマールが登場する。しかし、アトレチコ・マドリーの勢いのあるプレッシングの前に、その出番はかなり少なかった。というわけで、バルセロナについては特筆すべきことがない。シメオネはプラン通りに試合を進めたが、最後のシュートを防ぐはビクトール・バルデス。移籍がほぼ決定的らしいビクトール・バルデスの移籍先が気になってしょうがないというところで、本稿は終了です。

 ではまた。

  
 

 

 

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